2010/10/02

100均フリーダム展&講演会

夏に本屋さんに行ったときのこと。いきなり、鋭い目つきのパンダと目が合いました。
しかもその鋭い目は、なぜかキミドリ色に塗りたくられています。なにこれ?
ものすごく にらんできます。しかも爪は真っ青。何かの病気?

本のタイトルは「100均フリーダム」

どうやら100円ショップに売られている商品を紹介した本のようです。
とりあえず立ち読みしてみようとページを開いたけど、間もなく断念。

読めませんでした、ほんの数ページで声が出るほど笑いそうになってしまって。

とにかく、とんでもない100均商品ばかりが紹介されているのです。
とんでもない造形、とんでもない色彩、とんでもないコンセプト……。

結局立ち読みを諦めてレジへ。帰宅してからおなかが痛くなるほど笑い泣きしながら読みました。

何がこんな面白いのか。
もちろん紹介された100均商品自体も様子がおかしいのですが、それにも増して添えられた文章が大変面白く、笑いに拍車をかけるのです。

たとえば、表紙のパンダの紹介ページ。

いきなり出だしから人間への問いかけです。

そもそも人間にはパンダの目をキミドリに塗ったり、爪を青く塗ったりする「自由」がある。
にも関わらず我々は「常識」という狭い箱の中に、その「自由」を閉じ込めていないだろうか?と。

この本によれば、例えば……

この、深海魚みたいな十二支のトラだって

この、とんでもないところから舌が出ているクマだって

パンダなのか なんなのか良く分からない この生き物だって

み〜んな常識というちっぽけな箱を飛び出し、自由な発想のもと生み出された「100均デザイナーによる素晴らしい作品」なのだと。

そしてたどりついた言葉が、本のタイトルにもある「フリーダム」。
100円ショップはそんな自由奔放なグッズの宝庫だと熱く語るのは著者の内海慶一さんという方。
この方の絶妙な文章に、一気に心をわしづかみにされました。

プロフィールを見てビックリ!数年前に読んだことのある「ピクトさん」の人でした。
これも非常に面白い本で、町中で酷い目に合っているピクトグラムを集めた本です。

しかもタイムリーなことに都内で「100均フリーダム展」が開催され、その会場で内海さんが講演会を開くとのこと!
……ということで、前置きがかなり長くなっちゃいましたが、その「100均フリーダム展」に行ってきました。

場所はちょうど1年前に出来た「深川東京モダン館」というところ。

早速キミドリ目のパンダがお出迎え。


会場入っていきなり笑いました。

無造作に並べられた100均グッズたち…。
キャプションも一切なく…「とりあえず置いてみましたよ」的なフリーダムさ。


謎の生き物集団(本の中で内海さんが勝手に「フーリー」と命名。差し出された両手がポイント)
フーリーに横たわる着物の人形の置物は、展示期間中に発生した地震で倒れてしまったらしいです。
もちろんフリーダムの名のもとに、そのまんま放置です。


おなじみ深海魚のようなトラのお正月飾りに…

文字の適当な縫いっぷりがたまらないウェルカム星や…
(本では100均職人が「何秒で縫えるか?」と競争したのでは?と推測されてました)


かたつむり? ピカチュウ? ピーターラビッド?
思わず疑問系になっちゃうようなグッズなどなど…画像はほんの一部。
とにかくそこらじゅうフリーダムな100均グッズであふれていました。

あ!表紙のパンダはちょっとだけカッコよく飾られてます!
でも台になってる箱もおそらく100均。


そうこうしているうちに講演会開始。

事前に「講演会といってもたいした事はしゃべりませんよ、あなたも私もフリーダムですねって頷き合うだけの会ですからね」ってツイッターでご本人が告知されていたのですが、簡単に挨拶してから1分も経たないうちに「あ〜、じゃ、とりあえず質問コーナーはじめます」と内海さん。

まだ何もしゃべってないのに質問ですと?100均グッズ並にフリーダムな人であることが判明。

でも講演会に来る位ですからお客さんたちも予習はバッチリ。次々と質問が飛び出します。

100均グッズとの出会いや、今まで100均で買い物した総額や、お気に入りグッズのどのへんがお気に入りポイントなのか…など、内海さんは1つ1つの質問に丁寧に答えながら100均グッズへの想いを熱く語ってくれました。

ちなみに質問コーナー中もずっと、前方の巨大スクリーンでひっきりなしに100均グッズのスライドショーが流れています。

質問者さんから「なんだか質問に集中できないのでアレ止めてもらっていいですか?」と言われてましたが一向に止まる気配なし。それどころか自ら映像を拡大して

「こうやって大きくして見てみると、またいいんですよね~!
普段こんなサイズで100均グッズ見れないじゃないですか」

そう言ってエヘヘとスクリーンに見とれる内海さん。どこまでもフリーダムです。

その流れで、しばし大画面で100均グッズ鑑賞会。
拡大して見てみることで、縫い目の粗さや、はみ出たボンドなどのフリーダムさを改めて感じることができました。本に未収録のグッズも沢山紹介され、終始笑いっぱなしです。

内海さんはさらに熱く語ります。
「これらの常識を逸脱したグッズはどれも、深く考えずに一瞬のひらめきだけで作られているはず!」と。

確かに…。深く考えたらこんなグッズはうまれるはずもありません。
↑ちなみに これはサルのお寿司。下からシャリ、ネタ、サル…。

そして内海さんは会場のお客さんに問いかけます。

「みなさん、何かモノを作る時に時間をかけすぎなんじゃないでしょうか?
もっと瞬間的に思いつくままにモノ作りをしたらい面白いんじゃないでしょうか?」

アレレ、なんだか気付けば深い話。
確かに絵本をつくる時も、あれこれ難しくダラダラ考えた話より、パッと思いつきで考えた話の方が面白いって言われることが多い気がします。(もちろんその後の練り直し作業も大事ですが…)

肩の力を抜いて、自由にのびのびと作った作品で人々の心をつかめたらステキだなぁ…と心から思いました。

その後も、100均CDをウフフアハハとみんなで聴いたり…
100均ゲームの画像をウフフアハハとみんなで鑑賞したり…
最後にサイン会で内海さんご本人とちょっとだけお話させていただいたり…
とにかく最初から最後まで楽しく過ごしました。こんなに充実した内容でなんと入場料も講演会も無料です!ビックリ!

ステキな講演会のお礼に、お客さんたちから内海さんへ100均グッズの差し入れ。
それぞれが「これはフリーダムだ!」と思って選んだ商品の数々です。
(私も3つほど置かせていただきました。)
これらは、そのまま展示品となって会場をさらに賑わせていました。

すっかり身も心もフリーダムになった私と友人の行く先は、もちろん会場から徒歩5分の100円ショップ。しかしフリーダミング初心者の私たちにはそう簡単に良い品は見つけられません。

仕方ないので、お気に入りのページに書いてもらった内海さんのサインをつまみに飲んだくれ。楽しかった講演会の余韻に浸ります。

お土産にいただいたパンダパッジ。5〜6色あった中から目の色と同じキミドリを選んでみました。

100均フリーダム展、6日まで深川東京モダン館でやっています。
残りわずかですが、非常に非常におすすめなのでぜひ行ってみてください!
鋭い目つきのパンダが目印の本もぜひぜひ!(でも電車の中で読むのは危険です。)