2011/04/30

キャベツの装幀のこと

今日はキャベツの装幀について紹介します。

まずは表紙の絵です。
カバー全体&前と後ろの見返しにもつながる「広大なキャベツ畑」を描くことにしました。

なので、全体のラフは非常に長細いのです。
A3のコピー用紙を貼り合わせていくつかラフを描いたら、天井から吊るして全体の様子をそっと伺います。
↑うまいこと描けたラフにチェブラーシカをくっつけて祝う、の図


そしてようやく本描きです。大きいから下書きも時間がかかり……

絵の具も塗りがいがあります。塗っても塗ってもキャベツ〜!

やっと完成!表紙部分はカラー、見返し部分はモノクロです。

それから大事なタイトル文字も描きます。これもモノクロです。

これらの原画が全部そろったら、いよいよデザイナーさんにバトンタッチです。
なんとなんと「まないた~」「なべ~」の時にもステキなデザインをして下さった羽島一希さんです!
今回も物語をさらに盛り上げるような楽しくておもしろいデザインにして下さいました!
ありがとうございます!

特にステキなポイントをいくつか紹介します♪
まずは表紙。モノクロで描いたタイトル文字はこ~んな明るい色になって、センターにどーんと登場しました。

文字のほんの一部がアオムシの下に入り込んでいるのが特にステキなポイント。



「ただの白い四角じゃなくて、キャベツの穴にしちゃいましょう」という羽島一希さんのアイデアで、裏表紙のバーコードも穴の中に入れました。
カバーをとると、向こう側が見えるのもステキポイント。

それから、見返しのかわいさったらありません。
原画では、こんなモノクロの世界だったのに…
こんなに楽しいキャベツ畑の色になって登場!紙もキャベツ色です!

見返しの打ち合わせで、羽島一希さんから「キャベツを食べている“シャッキリムシャムシャの手書き文字”を用意して下さい」と言われました。

「一体どうなるのかしら?」とワクワクしながら書いた文字が…
こんな形で使用されました!ステキ!

このお話は「キャベツが食べたいチョウチョのお話」
…ということは、彼らがアオムシ時代に「どれだけキャベツを愛してやまなかったか」が重要なのです。
この手描きの文字を入れていただいたおかげで、さらにその部分が強調され、ストーリーを後押ししてくれることとなりました。

本文の文字も、また良いのです。
とっても味のある書体を選んでいただきました。見れば見るほど良いなぁ〜。
特に「な」の字が好きです。「チ」もかわいい♪

このステキ文字、今回もまた「写植」なのです。
1文字ずつ写植屋さんが丁寧に組んでくれた文字なんだなぁ…と思うと、なんだかデジタルにはない温かみを感じます。

最後に…
奥付にもストーリーにまつわるちょっとした秘密が隠されているのですが、それは絵本を手にした方のお楽しみなので詳細は書かないでおきます。これもまたデザインの段階で新たに追加されたステキポイントなのでした。

奥付用に描いた絵がこちら…
3パターン提出して、真ん中が採用されました。

2011/04/29

キャベツの付録のこと

絵本「キャベツがたべたいのです」にはこーんな付録がはさまれています。
今日はこの付録について紹介します。

キリトリ線で切り抜いて…

くるっとまるめて…テープでとめて…それから指にはめて…
冷蔵庫の中のキャベツを取り出して…たわむれて下さい。

セリフはこうです(本文より転載)
  • チョウチョ1:「キャベツはっけん!」
  • チョウチョ2:「さっそく たべよう!」
  • チョウチョ3:「いただきま〜す!」
  • チョウチョ4:「アレ? アレ? アレレ?」
  • チョウチョ5:「どうなってるの!? このストローみたいな くちは!」
  • ナレーション: こまったことに どうにも こうにも かじれません。


セリフを言って遊んだあとは、好きにしてください。
私は、絵の具の引き出しに収納しました。
これなら、ちょっとはやる気も出るってもんです。

2011/04/28

シャッキリムシャムシャ発売中!

「キャベツがたべたいのです」が、ついに本屋さんに登場したようです。
私はまだ1度もお店で遭遇出来ていないのですが、昨日友人がとんでもなくステキな写メを送ってくれました。

以前も紹介させていただいた吉祥寺の「BOOKS ルーエ」さんです。
(店員さんの許可を得て撮影してくれたとのこと…Mちゃんいつもアリガトウ〜!)

ジャーン!なにやら大変な騒ぎになっています!

ひゃ〜!キャベツもなべもまないたも全部並べて下さってる!
しかもステキな店員さんの手描きポップがいっぱい!

きわめつけはコレ!!
なべ&キャベツの登場人物「やおやのおじさん」がしゃべってる!
おじさんの「胸の文字」にやられました!!
なべのクチの曲がり具合もカンペキです!

BOOKS ルーエさん!こんなにステキにして下さって本当にありがとうございます!
嬉しくて泣きそうになりながら編集者さんに報告すると、編集者さんも「私も泣きそうです!」…ということで、2人で感動中です…(*>_<*)ウラーイ!

お客さんに手にとってもらえる日を夢見て、長いこと時間をかけて作ってきました。
だから、こんな形でお店に出してもらえて本当にありがたいです。
思い出たっぷり、キャベツの歴代ラフたち…。

2011/04/22

アワアワ すみません

先日のブログに新しい絵本「キャベツがたべたいのです」は20日〜お店に並びますって書きましたが、正しくは22日に取次さんに搬入されるので、だいたいゴールデンウィーク前あたりから書店さんに順次並んでいくそうです。発売まではもうしばらくお待ちください。


さて、ひと足先に冒頭の1ページ目だけちょいと紹介します。
今回の主人公は「チョウチョ」です。
そんなわけでチョウチョたちが花畑を飛び回っているこちらのシーンから始まります。
着色前のラフの段階から編集者さんと
「花がいっぱいで華やかな春の美しい野山をイメージしています、ぜひ天国にいるような色合いで塗って下さいね!」
「はい!ぜひぜひ!ウットリするような極楽のような色で塗りますね!」
…なんて、たいそう盛り上がっていたシーンです。

春といえばやっぱりピンク。
ベースは、まさに春の優しい色で塗り上がりました。

周りの花々も徐々に着色。よし、春っぽい。

この絵を描いていたのはまだ雪もちらつく2月のこと。1年で最も寒い真冬のシーズンでしたが、机の上だけはこ〜んなだったのが懐かしいです。

引き続き順調にチョウチョも塗って……


仕上げの黒い線も描いたら完成!

なんだか天国というより少々地獄の気配漂う(?)1枚に仕上がってしまいましたが…大事な大事な最初のページ、仕上がりも大変気に入っております。


ということで物語はここからスタートするのです。

バサバサ ヒラリ バサバサ ヒラリ ヒラヒラ
きれいな はなのみつを すっているのは たくさんのチョウチョたち

どうぞおたのしみに……

2011/04/15

キャベツがたべたいのです


新しい絵本が完成しました!できたてほやほやの見本を手にして感動中です。

「キャベツがたべたいのです」(教育画劇)

はなのみつ?
あんなものがおいしいだなんてサッパリ意味がわからない!
あおむし時代に食べていた、シャッキリあまくてみずみずしい「キャベツ」の方がずっとずっとおいしかった!

チョウチョだってキャベツが食べたいよ!

…そんなキャベツが食べたくて食べたくて仕方のない5匹のチョウチョたちのお話です。

4月20日〜ゴールデンウィークに向けて順次店頭に並びますので、みなさまぜひぜひお楽しみ下さい。子供も大人もクスリと笑ってもらえたら嬉しいです。

去年の夏からずっと作り続けていたので、なんだかまだ終わったという実感が湧かず不思議な感じです。

編集者さん、デザイナーさん、そして写植屋さんに製版屋さんに印刷屋さんに製本屋さんなどなど…ステキな絵本にしていただいて本当に本当にありがとうございました。
完成までの道のりは色々なことがあり、思い出もいっぱいで一言では書ききれないのですが、これからちょっとずつこちらでも紹介していけたら…と思います。

2011/04/09

はじめてのおつかい

担当の編集者さんと小野明さんの絵本講座へ…。
今回のテーマは名作絵本「はじめてのおつかい」でした。私も子どもの頃、繰り返し何度も読んでいた絵本です。

どうしてあんなに夢中で読んでいたんだろう?

今日はその謎が解けました。

発売されてから35年もの長い間、多くの子どもたちに読み続けられているのには、ちゃーんと理由があったのですね。
改めてこの絵本の奥の深さを知った90分間でした。

2011/04/08

最後は図書館に…

絵本作家のぶみさんが立ち上げた被災地の子どもたちに絵本を贈る活動が読売新聞で取り上げられました。

WEB版はこちらから…
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20110406-OYT8T00070.htm

「最初は僕1人で贈ろうと思ったんだけど…」と言っていたのぶみさん。
でもみんなでやった方が絶対に大きな力になる!と、思いきって周囲に声をかけたことで支援の輪が広がり、記事によればすでに4000冊の絵本が集まったとのこと。

集まった絵本は、まずは避難所で過ごす子どもたちのもとへ…。
(仕分け発送作業をして下さっている大勢のボランティアの方たちに本当に感謝です。)
復興が進み幼稚園や保育園、図書館などが再建された後は、そちらへ寄贈されるそうです。

2011/04/07

どちらもステキ

私がデビューをするきっかけをいただいた絵本作家さんのおひとりが高畠純さんです。
絵本新人賞の審査員をされていたので、入賞した時に作品に対する講評やアドバイスをたくさんして下さいました。何度も思い出したくなるくらい嬉しかった講評の言葉はデビュー作の帯にそのまま掲載させて下さり、がんばってね…と背中を押して下さった絵本作家さんです。

その高畠純さんが、今年の講談社出版文化賞『絵本賞』を受賞されました。おめでとうございます!
受賞作は去年の個展で、原画の方もたっぷり楽しませていただいた「ふたりのナマケモノ」。
ナマケモノらしい「ふたり」のマイペースっぷりに思わずクククって笑っちゃう絵本です。
上がナマケモノのふたりです。のほほ~んとした表情がかわいい!
下は今年の1月にピンポイントギャラリーで開かれた個展のハガキです。

初めて高畠純さんの原画を見た時はビックリしました。
絵本で見ただけでは気がつかなかったのですが、アニメのセル画のような手法で描かれていたのです。

しかもこのナマケモノの絵本の中で、その透明なセル画の効果を最大限に活かした面白いシーンがあって、原画を前に「おぉ~!」ってカンドウした思い出が…。
絵本&原画展の1粒で2度楽しめるステキな絵本です。本当におめでとうございます。

さらに『写真賞』を受賞された作品のタイトル見てビックリ!川島小鳥さんの「未来ちゃん」(ナナロク社)でした!なんてタイムリーな~、ちょうど手にしたばかりでした。

こちらは佐渡島に住む1人の小さな女の子を撮り続けた写真集で、色々なとこで話題になっていたこの表紙を見ただけで心を鷲掴みにされました。
これ気になるなぁ…欲しいなぁ…と思ってたら、先週新聞の書評欄に載っていたのを見た両親も、同じく表紙だけで「カワイイ!」 たちまち心を鷲掴みにされ、購入決定。

表紙の期待を裏切らない大満足の1冊です!
とにかくこの女の子の表情がたまらない~。何をするにも全身で力いっぱい!
ページをめくるごとにこみあげてくるかわいさと笑顔…。

お気に入りは、壁に米粒を大量にくっつけながらも頑張ってごはんをよそう、の図です。テレビ画面でのニョロニョロとのご対面もかわいいなぁ…。

そういや、しばらくタイトルを「小鳥ちゃん」って間違えて覚えてました。(そっちは大好きな江國香織さんの小説でした…)
しかもお名前だけで勝手に女性だと思っていたら男性でした!小鳥さん。

2011/04/05

「この絵本が好き!」を読みました


今年の「この絵本が好き!」の中で「コックさんシリーズ」について、な、なんと赤木かん子さんよりとても温かいお言葉をいただきました。

う〜嬉しいです…(*>_<*)

赤木かん子さんといえば、子どもの本の探偵さん!

ずいぶん前に、小学校の教科書で習ったお話をまとめた「この本読んだ?おぼえてる?2」を読んで、たちまちファンになりました。

幼少時に好きだった絵本って、大人になってからもう1度読みたくなってもタイトルや作者をハッキリと覚えていないものも多いですよね。

・赤が印象に残ってる色の絵本 とか
・こんなお菓子が出て来る とか
・クマとウサギが出て来る とか…。

そんな漠然とした記憶だけを手がかりに「それってこの絵本では?」ってピタリと当ててしまうのが赤木かん子さん!

私も赤木かん子さんの本に、何度「そうそう!この絵本!」と懐かしい記憶のスイッチを押していただいたことか……。

今回のメッセージ、本当に励みになりました。ありがとうございます。
これからも頑張ろうと思いました。



そしてこちらはミニミニ手のひらサイズのコックさんシリーズ絵本です。
先日編集者さんが作ってくれました!



何がステキって…中身もちゃーんとこの通り!

これならバッグにしのばせて、いつでもどこでも持ち歩けます。
ありがとうございました★ 

2011/04/04

コマヤスカンさんの絵本

今、この時に出会えて良かった…と思う絵本を紹介します。


「新幹線のたび 〜はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断〜」
コマヤスカン(講談社)


コマヤスカンさんの先月出版されたばかりの新刊です。
新青森〜鹿児島中央までの新幹線の旅を、ダイナミックな山々から細かい町並みまで丁寧に描き込まれた絵で楽しめる大パノラマ絵本です。

昨年12月に東北新幹線が青森まで開通。そして今年…九州新幹線が鹿児島まで開通する3月12日までになんとしてでも完成させることを目指し、1年半近く前からコツコツと作り続けていた絵本だそうです。

本当だったら今頃は、1つに繋がったばかりの日本列島縦断の旅を「現実の世界」でも「絵本の中の世界」でも、一緒に楽しめるはずでした。

でも今回の東日本大震災によって、現在は「この絵本の中だけでしかできない旅」となってしまいました。

絵本の中には被災地のかつての美しい風景が描かれ、ニュースで毎日のように耳にする地名が沢山並んでいます。
津波によって姿を消してしまった海岸線沿いの街並も描かれています。

もう当分(場所によっては2度と)同じ景色を観る事ができないと思うと、本当に心が痛みますが…でもだからこそ、元気だった日本の姿をこんなにステキな絵本の形で残してくれたコマヤスカンさんに感謝の気持ちでいっぱいです。

この絵本を開けば誰もがみんな3月11日までの日本を思い出すことができるし、1日でも早くこの頃みたいに戻れるよう頑張ろう!って強く思うはず。

「いつかまたこの絵本と同じ新幹線の旅を楽しめる日が来るよ!だからその日が来るまでは、この絵本の中で旅を楽しもうよ!」……そんな元気な気持ちにさせてくれる素晴らしい絵本です。
ぜひみなさんも手にしてみて下さい。きっと元気が出ます。

2011/04/03

パレット開講延期

以前こちらで紹介した母校、パレットクラブスクール15期の開講が5月→10月へと延期になりました。「平穏な環境下で落ち着いてイラストや絵本の授業に参加していただきたい…」という原田治校長先生の判断で決定されたそうです。(詳細はこちらの公式ホームページへ)

延期といえば、楽しみにしていた友人の作品展も3月末から4月末へと延期が決まりました。期間の変更に伴い当初使用するはずだったスペースが確保できず、やむを得ず展示作品数を減らすことになったそうで残念です。

横浜美術館で開催されるはずだったロシアの「プーシキン美術館展」も開催見合わせです。
同じロシア出身のキャラクター、チェブラーシカがイベントナビゲーターを努めるというのもあり行きたかった展覧会。

見合わせの理由を知って悲しくなりました。
ロシアの美術館や文化省が、地震や津波、そして原発事故のあった日本への作品の貸し出しは現時点では出来ないと判断を下したからだそうです。
汚染の影響は環境や食品だけでなく、すでにこうしたところまで広がっているなんて…。

昨日は担当編集者さんより声をかけていただき、チャリティ販売用の絵を描きました。売り上げは全て被災地の学校図書館再建や子どもの本に関わる方面へ寄付をするそうです。少しでも力になれますように…。そして1日でも早く穏やかな日々が戻って来ますように…。